新闻中心

　織姫おりひめははたをおって、神かみさまたちの着物きものをつくる仕事しごとをしていました。

　さて、織姫おりひめが年頃としごろになったので、天てんの神かみさまは娘むすめにお婿むこさんを迎むかえてやろうと思おもいました。
　そして色々いろいろ探さがして見みつけたのが、天の川あまのがわの岸きしで天てんのウシを飼かっている、彦星ひこぼしという若者わかものです。

七夕物語　中国の昔話

　この彦星ひこぼしは、とてもよく働はたらく立派りっぱな若者わかものです。
　そして織姫おりひめも、とてもやさしくて美うつくしい娘むすめです。
　二人ふたりは相手あいてを一目ひとめ見みただけで、好すきになりました。

七夕物語　中国の昔話

　二人ふたりはすぐに結婚けっこんして、楽たのしい生活せいかつを送おくるようになりました。

七夕物語　中国の昔話

　でも、仲なかが良よすぎるのも困こまりもので、二人ふたりは仕事しごとを忘わすれて遊あそんでばかりいるようになったのです。

七夕物語　中国の昔話

「織姫おりひめさまがはたおりをしないので、みんなの着物きものが古ふるくてボロボロです。はやく新あたらしい着物きものをつくるように言いってください」
「彦星ひこぼしがウシの世話せわをしないので、ウシたちが病気びょうきになってしまいました」
　天てんの神かみさまに、みんなが文句もんくを言いいに来くるようになりました。
　天てんの神かみさまは、すっかり怒おこってしまい、

七夕物語　中国の昔話

「二人ふたりは天の川あまのがわの、東ひがしと西にしに別わかれて暮くらすがよい！」
と、織姫おりひめと彦星ひこぼしを別れ別わかれわかれにしたのです。

「・・・ああ、彦星ひこぼしに会あいたい。・・・彦星ひこぼしに会あいたい」
　毎日まいにち泣なき続つづける織姫おりひめを見みて、天てんの神かみさまが言いいました。
「娘むすめや、そんなに彦星ひこぼしに会あいたいのか？」
「はい。会あいたいです」
「それなら、一年いちねんに一度いちどだけ、七月しちがつ七日なのかの夜よるだけは、彦星ひこぼしと会あってもよいぞ」
　それから織姫おりひめは、一年いちねんに一度いちど会あえる日ひだけを楽たのしみにして、毎日まいにち一生懸命いっしょうけんめいにはたをおるのです。
　天の川あまのがわの向むこうの彦星ひこぼしも、その日ひを楽たのしみに天てんのウシを飼かう仕事しごとにせいを出だしました。
　そして待まちに待まった七月しちがつ七日なのかの夜よる、織姫おりひめは天の川あまのがわを渡わたって、彦星ひこぼしのところへ会あいに行いくのです。